4月29日(金)に弘前を出発した私たちは、日本海を南下し約12時間かけて長野県大町市へ向かった。 3人で運転を交代しながら、一路、目指すは北アルプス! 山中2泊移動に2泊。4拍5日の山行の始まりだ。 一体どんな試練が待っているんだろう・・・。初めての北アルプスに期待と不安が入り混じる。 今回の予定は
1日目 移動 弘前~小坂~理窓山荘(泊) |
2日目 大谷原~赤岩尾根~冷池山荘テント泊 |
3日目 鹿島槍ヶ岳~冷池山荘テント泊 |
4日目 爺ヶ岳中峰~南尾根~柏原新道~理窓山荘(泊) |
5日目 移動 理窓山荘~小坂~弘前 |
1日目 R4年4月30日(土)天気 晴れ
大谷原の登山口から西俣の出会いまでは林道を1時間ほど歩く。 目の前に後立山連峰の片鱗が、チラホラ見え始める。 いよいよ急登の赤岩尾根へ
ブッシュと岩と雪は脚にくる~ 天気が良すぎて、喉カラカラ
高千穂平まで、もう少し。
これだけ歩いても、まだ半分も来ていない。
景色を堪能する余裕がない・・・。
高度が上がると、心なしか息苦しいのは気のせいなのか⁈ いつもより息が上がる。アイゼンを履いた足が重いし・・・ 時々、眺められるこの絶景だけが唯一の慰めだ。
この日の核心
赤岩尾根分岐手前のトラバース
ピッケルを深く差し込んでゆっくり進む
緊張MAX!
朝5時に出発してから約10時間30分。 テン場まであと少し。頑張るぞ~
冷池山荘のテン場に着いたのは、16:00 冷池山荘から少し下がった樹林帯に、テントを張ることにした。 今日は夕日が期待できるとあって、太陽が沈む時間に合わせて外に出てみる。 最初は冷池山荘の稜線に上がってみたが、あまりよく見えなかったので テン場から少し下った所がベストポジションだった。 夕日に染まる剱岳が神々しい。 あまりにキレイで夢中でシャッターを押した。 初めてのアルプスで、劔に沈む夕日が見られるなんて 本当にラッキーだった。
もったいないくらいキレイな夕日だった。 3人で沈むゆく夕日を眺めた。いつまでも眺めていたい・・・。 またいつか来よう。
2日目 R4年5月1日(日)天気 雪
前日の天気はどこに行ったやら・・・ 今日は、天気予報通りの「雪」 6:20 テン場を出発 岩稜帯に乗った雪で超歩きにくし! これから鹿島槍ヶ岳を目指します。 風速10mくらいだろうか。体感温度はマイナス10℃以下だと思うが それほど寒く感じないのは、青森の冬山を経験しているからなのか。
布引山は7:50到着し、さらに北へ向かう。 時折、強く吹きつける風 稜線上は真っ白で昨日の景色は全く見えない。 上を見上げれば、山頂が遠く見える。黙々と歩くしかないが、息が切れる。 9:20 ようやく鹿島槍ヶ岳山頂到着 3人で握手を交わした時は、本当にここまで自分の足で来たんだと感無量だった。 景色は見えなかったが、最高に気分がいい。 記念撮影をし、早々に下山した。
下山途中で、ツガイの雷鳥に出会った。人を怖がらず写真を撮らせてくれた。(気前がいいね!)
3日目 R4年5月2日(月)天気 晴れ
3:00起床。テントを撤収し5:00出発。 撤収時、ポールが凍り付き、摩擦熱で温めて外さなければならなかった。 雪面はガチガチで、ピッケルが刺さらない。昨夜はかなり冷え込んだようだ。 稜線に出ると絶景が待っていた。朝日に照らされた雲海とアルプスの山々 「荘厳」というのは、こういうことを言うのかな。 澄んだ空気が、さらに美しさを引き立てているようだ。 カメラでは伝えきれない。
静かな山にアイゼンとピッケルの音がこだまする。 前日の雪で雪崩と滑落のリスクがあるので、赤岩尾根から下るのは断念し 爺ヶ岳南峰から南尾根経由で柏原新道に抜けることにした。
前日に続き雷鳥にまた会った。
この稜線上は、雷鳥がいるとは聞いて
いたが、ホントに会えるとは。
足跡が意外に大きくて驚いた。
爺ヶ岳までの道のりも長かった。
7:40 爺ヶ岳到着。風は時々強まるが最高の景色 私たちが到着すると間もなく、下から登って来たお兄さんに 写真をお願いした。地元人で、雲海の写真を撮りたくて3:00に出て来たそうだ。 この日は、その他にも10人くらいはすれ違っただろうか。
夢のような景色が広がっていた。言葉にならない・・・。
爺ヶ岳南峰から南尾根を下り、どんどん高度を下げていく。 この尾根もなかなかの斜度だった。ブッシュと時々、現れる雪面に足を取られる場面も・・。 1人1回は、意図せず尻セードしてしまった。 昼近くなると雪が降り始め、寒くなってきた。午前中、すれ違った人達は山頂に着いた頃だろうか。 天候が急変するのが早過ぎる。これがアルプスか・・。
13:45 柏原新道登山口に無事到着! 3人で健闘を称え、記念撮影。実に濃い3日間だった。 この後、タクシーを待っている間に雨が降りだした。(着いてからで良かった。) 下山したら安心したのか、どっと疲れが出た。 山荘に行く前に、ゆっくり温泉に浸かったのは言うまでもない。